グレーの目は世界の1%未満
グレーの目は世界人口の1%未満と推定されており、独立した色として数えるなら、標準的な目の色のなかでもっとも珍しい色です。珍しい目の色ランキングでも、緑より上位に置かれることがあります。
ただしこの数字には大きな注意点があります。グレーはそもそも統計に現れないことが多いのです。多くの資料はグレーを青の一種として数えてしまうため、色の一覧からグレーの行が丸ごと消えてしまいます。
なぜグレーに見えるのか
グレーの目は、青い目と同じくメラニンがきわめて少ない虹彩です。ではなぜ青ではなくグレーになるのか——鍵は虹彩の構造にあります。
虹彩前面の組織にコラーゲンが多く、その密度や配置が青い目と異なると、光の散乱の仕方が変わります。特定の波長だけを強く返す(=青く見える)のではなく、光をより広い範囲でまとめて散らすため、彩度の低い銀色やスモーキーな見え方になります。
同じ「色素がほとんどない虹彩」でも、構造の違いが青とグレーを分けている、というのがもっとも実態に近い説明です。
青との見分け方
判断の基準は明るさではなく彩度です。
- 青: 色としての方向がはっきりしている。薄い青でも「青である」と言い切れる。
- グレー: 色の方向が定まらない。銀、スレート、煙のような、色味の抜けた印象。
この判断は光の条件に非常に左右されます。曇りの日の窓際で撮るのがもっとも公平です。晴れた日の屋外では空の青を拾ってグレーの瞳が青く写り、暖色の室内灯の下では逆に色味が濁ります。青い目の記事もあわせて読むと、境界がつかみやすくなります。
グレーの目が多い地域
北欧、東欧、バルト三国、ロシア北西部などに比較的多く見られます。フィンランドやエストニアでは、青とグレーの中間のような瞳が珍しくありません。
またパキスタン北部やアフガニスタンの一部など、中央アジアの山岳地域にもグレーの目が見られる集団があります。北欧に限った色ではない、という点は見落とされがちです。
周囲の色を映しやすい瞳
グレーの目を持つ人がよく「日によって色が違う」と言うのは、気のせいではありません。彩度が低い虹彩は、その分だけ周囲の色を反射しやすいためです。
青い服を着れば青みが増し、緑の多い場所では緑がかり、曇り空の下ではもっとも本来のグレーに近づきます。この変化しやすさこそがグレーの特徴であり、判定を難しくしている理由でもあります。
自分の瞳がグレーか確かめるには
無地でくすんだ色の服を着て、曇りの日の窓際で、フィルターをかけずに虹彩を大きく撮影してください。周囲の色を拾わせない条件を作ることが何より重要です。
自分の目の色の確かめ方の手順で撮った写真をAIの瞳分析にかけると、青とグレーのどちらに寄っているかを彩度から客観的に判定できます。グレーは、自分で思っていたのと違う結果が出てもっとも喜ばれる色のひとつです。