「日本人の目は黒」は正確ではない
日本では、自分の目の色を聞かれて「黒」と答える人がほとんどです。書類の記入欄でも、日常会話でも、日本人の瞳は黒いものとして扱われます。
しかし厳密にはこれは正確ではありません。人間の虹彩の色を決める色素はメラニンだけで、メラニンは茶色から黒の範囲の色を作りますが、完全な黒の虹彩というのはきわめてまれです。日本人の瞳の大半は、メラニンが非常に多い「濃い茶色」に分類されます。
黒い瞳で詳しく扱っていますが、黒く見えているのは多くの場合、光量が足りていないだけです。
日本人の瞳にも幅がある
日本人の目の色は一様ではなく、実際には連続的な幅を持っています。
- ダークブラウン(ほぼ黒に見える): もっとも多いタイプ。室内では瞳孔と虹彩の境目が分かりにくい
- ミディアムブラウン: 自然光の下で明確に茶色。赤みや金色の色味が見えることも
- ライトブラウン: 明るい蜂蜜色。日光の下ではかなり明るく見え、金色の輝きが出る人もいる
同じ家族のなかでも濃さが違うことは珍しくありません。「日本人=全員同じ黒い目」という認識は、単に自然光の下で瞳を拡大して見る機会がないことから来ています。
日本人に緑やグレーの目はある?
生まれつき純粋な緑、青、グレーの虹彩を持つ日本人は、きわめてまれです。これらの色はメラニンが非常に少ない虹彩でしか生じないため、東アジアの遺伝的背景ではほとんど現れません。
ただし、色味として含まれているケースは別です。明るいブラウンの瞳をよく見ると、瞳孔の周りに金色の輪があったり、虹彩の外側がわずかに緑がかっていたりする人がいます。これはヘーゼルや琥珀の構造に近い状態です。
「緑の目」と名乗れるほどではなくても、自分の瞳に緑や金色の要素があると知ることは、多くの人にとって新鮮な発見になります。
珍しさは相対的なもの
覚えておきたいのは、希少度は基準となる集団によって変わるということです。
世界全体で見れば、日本人の濃い茶色の瞳は7割以上を占める多数派です。しかし日本国内で見れば、明るいブラウンやヘーゼル寄りの瞳を持つ人はかなり少数派になります。
つまり「自分の目は珍しいのか」という問いには、世界基準の答えと国内基準の答えの二つがあります。珍しい目の色ランキングが示すのは前者で、日常で「目の色が明るいね」と言われる経験は後者に基づいています。どちらも間違いではありません。
オッドアイや虹彩の模様は日本人にもある
色だけが瞳の個性ではありません。左右で色が違う、あるいは一つの虹彩の中に複数の色があるオッドアイ(虹彩異色症)は、日本人にも見られます。特に部分型や中心型は本人が気づいていないことが多いタイプです。
また虹彩の模様——クリプト(陰窩)、収縮輪、斑点——は指紋と同じく一人ひとり異なります。色が茶色一色でも、模様まで含めれば同じ瞳を持つ人は世界に一人もいません。
自分の本当の目の色を確かめる
濃い茶色の瞳ほど、撮影条件が結果を左右します。暗い室内で撮れば黒い塊にしか写らず、「やっぱり黒だった」で終わってしまいます。
明るい曇りの日の窓際で、フィルターと美顔モードを切り、虹彩が画面いっぱいになるまで近づいて撮影してください。手順は自分の目の色の確かめ方にまとめています。
その写真をAIの瞳分析にかけると、ベースの色の濃さに加えて、隠れた赤み・金色・緑の色味と、その希少度の目安まで確認できます。「黒」だと思っていた瞳に何が入っているのかを知る、もっとも確実な方法です。